リベラルの限界 2014 5 31
オバマ大統領は、最近の演説で、
南シナ海の危機で、
米軍が紛争に巻き込まれる可能性があると言及しましたが、
これに違和感を感じた人が多いでしょう。
「巻き込まれる」とは、
「なんと受け身の表現だ。主体性がない」と思ったでしょう。
ウクライナ危機でも、オバマ大統領は、
最初から軍事行動の可能性を否定していました。
これでは、オバマ大統領が、
戦争の可能性を高めていると言ってよいでしょう。
なぜならば、こうした一連の言動によって、
月並みな表現ですが、相手になめられるからです。
こうした言動は、相手国からは、どう思われるか。
「オバマ大統領は、弱い。臆病だ」と思うでしょう。
その結果、アメリカと対立する国は、
冒険的な行動に走るでしょう。
事実、そういう結果が出たはずです。
中国やロシアだけでなく、
多くの国が、冒険的な行動に走るのは、
オバマ大統領の一連の言動が原因です。
もちろん、軍事予算を削減しなければならないのは、わかりますが、
そうであるならば、せめて口先でも強気なことを言うべきです。
オバマ大統領は、相手を信じすぎるのです。
しかしながら、人間には建前と本音があります。
表向き親米国家でも、実は反米国家。
そんな国が、たくさんあります。
複数の国が集まって、よからぬ計画を画策しているかもしれません。
こんなことを書くと、中国やロシアを連想するでしょうが、
こうした計画は、各大陸にあります。
このような動きを抑え込むには、
強力な軍事力を維持するか、
言葉で「強いアメリカ」を演出するか、
どちらかです。
謝罪外交 2013 8 18
書名 いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ
著者 古森 義久 幻冬舎新書
「謝罪外交を繰り返すオバマ政権」
これは、この本では、43ページから始まる、
「オバマの謝罪外交」というところを読めば、
そう思いたくなるでしょう。
確かに、ここに掲載された一連の演説を読めば、
共和党が、オバマ氏の演説を、
「謝罪外交」とか「謝罪の旅」(外国訪問)と非難する理由があります。
著者によれば、オバマ氏は、
アメリカの従来の「あり方」には、
むしろ批判をぶつけることが多いという。
アメリカの超大国としての実績でさえも、
あえてミスや欠陥を指摘して、
事実上の謝罪をするという傾向がちらつくのだと指摘します。
これは、よく言えば、「謙虚である」と言えるでしょうが、
悪く言えば、「自虐的」と言えるでしょう。
謝罪外交といえば、日本政府の「お家芸」でしたが、
時には、オバマ氏の方が、それを上回り、
日本人としては、びっくりでしょう。
もしかすると、日本人は怒るかもしれません。
「日本の『お家芸』をオバマ氏に奪われてしまった」と。
これを「生きがい」している日本の政治家もいるからです。
もう少し、この本から引用しましょう。
「軍事力を忌避し、軍事力の効用を認めたがらないオバマ大統領」
オバマ大統領は、そもそも軍事力が嫌いだ。
アメリカの国政レベルでは、そんな認識がよく語られる。
これは、保守派だけからの評価ではない。
与党の民主党側にも浸透した認識だと言える。
(引用、以上)
多くの日本人は、
「なんだか、オバマ氏という政治家がわからなくなった」と思ったでしょう。
オバマ氏は、リベラルと言われる民主党の中でも、
「最も左寄り」と言われることがあります。
つまり、日本の政治家でたとえれば、
社会党の党首がアメリカ大統領をやっているようなものです。
そう言えば、今は、社会党という政党はありませんから、
オバマ氏は、社民党の党首に近いと言えば、よくわかるでしょう。
だから、オバマ大統領と安倍首相は、馬が合わないと言えます。
安倍首相は、保守政党と言われる自民党の中でも、右派と言われています。
片方の政治姿勢が社民党の党首に近く、もう片方が保守政党の右派では、
首脳会談は、どうやっても、うまく行くはずがありません。
それにしても、アメリカが、このような状態では、
独裁者や強権政府の指導者は、
当分、「枕を高くして眠れる」と言えるでしょう。
多くの独裁者や強権政府の指導者は、今でも、
「アメリカの影に怯えて、夜も眠れない」という状態かもしれませんが、
それは、「かつてのアメリカ」に怯えているからでしょう。
しかし、「今のアメリカ」を知れば、独裁者たちは、熟睡できます。
要するに、独裁者たちは、勉強不足です。
自国の独裁体制を維持にするのに忙しくて、
国際情勢を勉強していないということでしょう。